5.cinq. | Make up is fun Beauty is power

June 09, 2020

6月に入りましたね。

今年は海外は無理なのかぁと、曇り空を眺めながらの回想。

シャネルの時は毎年6月と11月あたりの大きなコンベンションがあり、
パリへ全世界シャネルのトレーナーマネージャーやアーティストが集結します。

私もエグゼクティブメイクアップアーティストとして毎回参加しており、
年2回のこの大きなコンベンションで全世界の同僚と顔合わせができる機会。

主催者側はパリ本部。
毎回趣向を凝らした内容で、次年度の方針や
専門分野の見識を深めるレクチャーなどなど
様々な内容で構築されています。

参加者も多いに楽しめる内容で、かつラグジュアリー。

そんなたくさんのコンベンションの中から、
今日はドーヴィルで行われたコンベンションをご紹介しますね。

ノルマンディ地域にあるドーヴィル。
これは皆さんもご存知かと思いますが、
フランスの高級保養地。
ブルジョワ階級が休暇を過ごす場所。

そこにシャネルは1913年 シャネルのブティックをオープンさせます。

そんな歴史になぞられて、
コンベンションが行われたのがドーヴィル。

宿泊とコンベンションルーム場所は5つ星
HOTEL BARRIERE LE ROYAL DEAUVILLE


フランス人の同僚は幽霊が出るくらい古いホテルだって
シニカルなことを言っていたけれど、
確かに、とても重厚感のあるホテルでした。

このホテルを拠点に
ミーティングやプレゼンテーションがおこなれるのだけと、
中でも面白かったのが、

チームビルディング体験。

これはアットランダムに分けたグループで
ドーヴィルの街中に隠してある質問を探し当て、
それに答えていくという、
コミュニケーションとシャネルの文化を体得しながらの

チームビルディング。

街中のあらゆるところに、
シャネルに関する質問が隠されていて、
1早くゲームを解いたチームが優勝になります。

なので、みんなすごい勢いでドーヴィルの街中を走り回る
という、
知らない人が見たら、
集団で、しかも結構シャネルな服装でめっちゃ走る集団。
かなり不思議な光景だったかも。

質問内容はすっかり忘れてしまったけど、
私達のチームは優勝し、
喜び舞い上がっております。

確かプレゼントは
非売品のシャネルの本だったような。

持って帰るの大変なんだけど・・・
置いて帰ろうかな
ってその頃は、猫に小判な状態だった私。ですが、

ちゃんと持って帰ってます。
アトリエにありますので、興味ある方は
ご覧くださいね。

ドーヴィルにゆかりのあるシャネルなのですが、
映画『ココ・アヴァン・シャネル』の撮影に使用された屋敷もドーヴィルにあります。

このお屋敷にも質問が隠されていて、
ゆっくり見たいのに、次の質問を解きに行かなければならず、
駆け足で終わりました。。。

とても素敵なお屋敷でガイドツアーもできるみたいなので、
ぜひ行かれた際には見学してみてくださいね。

ホテルから少し歩くと
そこは避暑地ならではの海岸があり、
美しいアールデコの更衣室が連なっており、
ここには俳優、女優さんの名前が刻印されています。

ちなみにシャネルはここの海岸から、インスピレーションを受けて
マリンストライプやベージュ(砂の色)をモードに落とし込んだと
言われています。

美しく、少し寂しい感じもするドーヴィルは
貴族的なスノッブさを持ち合わせて
とても品の良い街。

しっとりと優雅に過ごすのにはぴったりかと。

大人な避暑地ですね。

またドーヴィルは馬でも有名な場所。

ノルマンディ地方では
4年に1度の世界馬術選手権が開催され、
数多くの
由緒正しき乗馬クラブがたくさんあります。

ドーヴィルの乗馬のハットと
シャネルが初めてオープンしたブティックは
帽子のブティックだったので、

その時のコンベンションのドレスコードは帽子でした。

なので、写真にはみんな帽子をかぶっているのです。

(有名な乗馬クラブでコンベンション&パーティー)

このようなシャネルのマーケティングプランは
フランス、ヨーロッパで各地で
行われています。

この避暑地全体を使って
チームビルディングをするシャネルって
シャネルという所以なのかもしれません。

こういうのはなんですが、

私はシャネラーでもなんでもなく、
シャネルに憧れていたわけでもなかったので、
いつも少しシニカルに
物事を見ていたように思います。

なので、当時は
よく理解できなかったことが結構あったように思います。
なぜなら
シャネルの世界はとても抽象的だから。

ですが
時を経て今は理解できることがたくさんあります。

その時に感じたこと、
見たこと、
理解できなかったことも、
時間を超えてわかる時がある。

必要な時に。

今はその時に体験、学んだことが
かけがえのない財産になっていると感謝してます。

(当時の日本法人社長コラスさん MERCI MERCI MERCI)

で、

ラグジュアリって何だって
いうことは
ビジネスでも
追求されていたり
議題になったり
コンサル内容に反映されたりするのですが、

ラグジュアリとは

奥行き感であり、

時であり

卓越した技術であり

探究心であり

独自性であり

革新であり

ストーリーである

ではないかと。

このようなことを
シャネルは継承していて
それをシャネルスタッフに
体験や仕事通じて刷り込み、
ラグジュアリーブランドという
巨大な組織にしているのではないだろうかと
思うのです。

だから、
結構シャネル入社して間もない人とかでも、
これってシャネルっぽいとかシャネルぽくないとか
なんとなく
雲をつかむような抽象的なことを言う人が結構いた。
抽象的すぎてその人のフィルターの方が圧倒的に大きいのでは?

私はそれにいつも違和感をがあったのですが、

今思うとそれはそれで良いんだと。

その人のフィルターを通しても
ラグジュアリは
ロジカルではない
少し曖昧で
物語的なものだから。

美しい物語が紡ぎ語り続かれるよう、
ストーリーがあり
それを発信していくことで
そのブランドのイメージとして
個人のフィルターを通じて
落とし込まれていくのだから。

先に挙げた
7つをバランスよく
構築し
ラグジュアリとは出来上がるのではないでしょうか。

これって人もそうですよね。

これからは個の時代って
よく言われるけれど
自分の価値は自分で作っていかなきゃならないわけで

その価値(ラグジュアリ)どのように
形成していき
鍛錬していくかは

この7つではないかと。

なかなか、客観視して自身を構築するのは
難しいですね。

イメージばかり先行して
中身が追いついてないのはハリボテになる。

しっかりと中身の構築を日々鍛錬し
構築して
自分にしか描けない
ラグジュアリを形成する。

そんなシャネル回想録とラグジュアリの考察

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